日本人の宗教は何か?と問われると主に仏教だといえます。
家の周りにはお寺はある、墓地には仏教に基づくお墓がある。
そして、お盆やお彼岸などの行事も仏教に基づくもの、祖先をおまつりする仏壇もそう、法事もそうですね。
ことばにも「往生する」「お釈迦になる」といったものは仏教に基づくものです。
そんな仏教は身近なものではあるのですが、いまひとつわかりにくいものでもあるのではないでしょうか?
そんな仏教をひもといていきましょう。
■仏教とは?
仏教は、紀元前6世紀にインドのガウタマ・シッダールタが開いた宗教です。
ガウタマ・シッダールタは、通常「釈迦」や「釈尊」の尊称で呼ばれています。
インドでは、古くからは、バラモン教という民族宗教が栄えていました。
そして、バラモンの名で呼ばれるバラモン教の聖職者が人々に重んじられていました。
そんなバラモンの間では独自の哲学であるウパニシャッド哲学が発展していっていました。
ウパニシャッド哲学は、ブラフマン(梵)とアートマン(我)との概念をもとに展開しています。
簡単にまとめると
ブラフマン(梵)は、宇宙の真理
アートマン(我)は、自分自身
片寄った考えを捨てて宇宙の真理にしたがっていきることをすすめる哲学です。
そうして生きることで梵我一如をめざします。
このウバシャッド哲学を踏まえて慈悲の教えをつくりだしたのが、釈迦だったのです。
■仏教の教え
仏教に流れている中心的な考えは「無常」と「中道」と「慈悲」です。
「無常」はすべてのものは移り変わる運命にあるという考えのもとにつくられています。
人間はいつか死にます。
若い人は年老い、権力者や財産家は、どれだけ栄えていてもいつか落ちぶれる運命にある。
地位や贅沢な生活を求める行為は自分だけが良い思いをしようとする片寄った考えに動かされたものにすぎない。
結局それも変化していくものである。
このような「無常」を知ることができるならば、自分中心の片寄った考えを捨てて「中道」の生き方をとることの大切さが理解できるようになる。
そして「中道」的生き方をとっていると人間は他人に感謝されることが最上の喜びであると悟ることができる。
感謝は「慈悲」の心をもつことによって設けられられるものである。
こういった考えのうえに「慈悲」の宗教である仏教が生まれ、発展していったのです。
・仏教の源流は古代インドの哲学ウバシャッド哲学
・仏教の教えは、「無常」と「中道」と「慈悲」
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